高次脳機能障害とは

「一般道を走行中に追突事故にあった。目立った外傷がなかったため物損事故として処理したが、事故後しばらくしてから物忘れがひどくなった気がする。」
「夫が交通事故により入院していた。怪我の治療が終わり退院したが、事故の前に比べて怒りっぽくなったように感じる。因果関係があるのだろうか。」
交通事故の被害に遭われた方のなかには、交通事故の後の身体面や精神面での不調について、このような悩みをお持ちになられる方が決して少なくありません。

このページでは、交通事故にまつわる数多くのキーワードのなかでも、高次脳機能障害についてスポットライトをあてて、くわしくご説明してまいりたいと思います。

■高次脳機能障害とは
交通事故の被害のなかには、高次脳機能障害とよばれるものがあるケースがあります。
ほとんどの方にとって高次脳機能障害という言葉は、耳にされたことのない言葉だと思われます。

人間には、生きるために呼吸したり、血液を循環させたりといった、生物としての基本的な機能のほかに、論理的に考えたり、相手の気持ちを理解しようとしたりという高度の機能が脳に備わっています。
こうした高度な機能のことを、高次脳機能といいます。
交通事故で脳にダメージが与えられた場合に、高次脳機能に障害がでることがあるのです。

高次脳機能障害の症状としては、主に記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが挙げられます。

1.記憶障害
記憶障害とは、文字通り記憶に関する障害のことをさし、自分で片づけたものの場所を忘れたり、新しい出来事について記憶することができなかったりといったことが該当します。

2.注意障害
注意障害には、同時に2つ以上の作業を平行して行うことができなかったり、注意力が散漫となったりといったことが該当します。

3.遂行機能障害
遂行機能障害には、自らの手で計画的に何かを行ったりすることができず、人の指示が必要となるといったことが該当します。

4.社会的行動障害
社会的行動障害には、情緒不安定になり、自分の思い通りにならないと興奮状態となって、大声を出したり暴力的になったりといったことが該当します。

こうした高次脳機能障害は脳卒中などが原因となるケースが多いですが、交通事故によっても発症することがあるのです。
これは、脳に外からのダメージが加わったためと考えられています。

高次脳機能障害は、目立った外傷がなくとも発症することがあり、診断が難しい部類の障害です。
高次脳機能障害が疑われる場合には、専門的な医療機関を受診することが望ましいといえます。

弁護士 君塚 洋（弁護士法人中村・橋本法律事務所）は東京駅・有楽町駅・日比谷駅から近い東京都千代田区丸の内を中心として東京都はもちろん、千葉県、神奈川県、埼玉県の一都三県や北関東にお住まいの方の交通事故に関するお悩みにお応えする法律事務所です。
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