自動車事故の種類について

「駐車場内で乗用車に追突されてしまった。首が痛むにもかかわらず物損事故で処理するといわれてしまったが、こういうものなのだろうか。」
「歩行中に交通事故に遭い、怪我を負ってしまった。人身事故だが、物損もあるため、療法ともきちんと損害賠償がなされるかどうか心配だ。」
交通事故の被害に遭われた方のなかで、こうしたお悩みをお持ちになられている方は、決して少なくありません。

このページでは、交通事故にまつわる数多くのキーワードのなかから、自動車事故の種類についてスポットライトをあてて、くわしくご説明してまいりたいと思います。

■自動車事故の種類
ほとんどの方が、人身事故や物損事故という事故の分類について耳にしたことがあると思われます。
しかし、それらの事故について、具体的にどういった違いがあるのかということについてはご存じない方も多いのではないでしょうか。
自動車事故の種類について知ることで、ご自身が被害に遭われた事故がどの事故に該当するのか理解でき、損害賠償請求についての道しるべとなるため、重要な前提知識といえるでしょう。
自動車事故の種類は、一般的に「人身事故」、「死亡事故」、「物損事故」の3種類があります。
それぞれについて、くわしくみていきましょう。

■人身事故
人身事故とは、負傷者がでてしまった交通事故のことをさします。
人身事故と、後述する死亡事故には、自動車損害賠償保障法（自賠法）が適用されるため、被害者には加害者の過失を立証する責任がありません。
加害者が、加害者自身に故意や過失がなかったことを立証する責任があるのです。
人身事故における負傷者の怪我の程度は、軽い怪我から重い怪我までさまざまで、場合によっては後遺障害が残ってしまうような重大なケースもあります。
人身事故では、治療費はもちろん、入通院に要した日数から入通院慰謝料を請求できるほか、休業損害なども認められます。

■死亡事故
死亡事故とは、被害者が亡くなられてしまった交通事故のことをさします。
原則として、交通事故における損害賠償請求は被害者が行うこととされていますが、死亡事故においては被害者が亡くなられているため、ご遺族の方が慰謝料を請求する権利を有しています。
死亡事故に特徴的な損害賠償としては、死亡慰謝料や逸失利益が挙げられます。
死亡慰謝料は、被害者が交通事故で亡くなられたことについての、被害者自身への慰謝料と、ご遺族への慰謝料を合わせた総額として考えられます。
逸失利益とは、被害者が交通事故で亡くなることがなければ、将来的に得られていたと合理的に考えられる収入など利益をさします。
将来的な利益を、交通事故で損失したと考えるのです。

■物損事故
物損事故とは、負傷者がいなかった交通事故のことをさします。
物損事故では自賠法が適用されないため、被害者が加害者の故意や過失を立証し、民法上の不法行為責任として損害賠償請求を行っていくことになります。
人が乗っている自動車の事故であっても、軽微で怪我がない場合には物損事故として扱われることがありますが、むちうちなどの症状が後日あらわれることもあるため、そうした場合には改めて損害賠償請求が可能なように示談交渉するのが望ましいでしょう。

弁護士 君塚 洋（弁護士法人中村・橋本法律事務所）は、お客様のお悩みに寄り添い、親身にアドバイスさせていただくと共に、問題の根本的な解決を目指して尽力いたします。
東京駅・有楽町駅・日比谷駅から近い東京都千代田区丸の内を中心として東京都はもちろん、千葉県、神奈川県、埼玉県の一都三県や北関東にお住まいの方で交通事故でお困りの方は、当職まで是非、お気軽にご相談ください。